博多駅に麺街道という場所がある。いわゆる麺の密集地帯だ。種類も豊富であり、その混沌の
中から一筋の光に導かれるように一杯の麺を辿っていく。何気なく引き寄せられる感じがした。
券売機で支那そばのボタンを押下する。奥まったテーブルに案内される。しばらくすると白肌に
青白の波紋様の椀がでてきた。透き通ったスープに中太の麺。薄いが面積の大きいチャーシューが椀の
水面一杯を覆っていた。スープを一口すする。九州独特の甘い醤油ベースのスープだ。ちぢれ麺とも
相性が良い。麺とスープを交互に口に運ぶ。リズミカルだ。気がつくとスープを全て飲み干した。
店内は賑わっていた。スーツ姿の若いサラリーマンが瓶ビールをテーブルに並べて楽しい時間を過ごして
いた。ほどなくして店をでた。
天神駅で西鉄電車に乗車した。山手線と比較すると混雑率はそれほどではない。座る事もできた。
乗客はスマフォを見ていた。その風景は山手線風景と同じだ。